移転価格税制とは – 第2回

(2) 移転価格税制の対象となる取引

それでは、グループ間の取引の中で、移転価格税制の対象となる取引とはいったいどのような取引を指すのでしょうか?

 

  • 有形資産(棚卸資産や設備などの売買)
  • 役務提供(市場調査、営業支援、委託開発など)
  • 無形資産(技術、商標、ノウハウなどの使用許諾、権利の譲渡など)
  • 金融取引(金銭貸借、債務保証など)

 

有形資産取引が移転価格税制の対象になることは、企業におかれてもよく認識されていますが、役務提供や無形資産取引も同税制の対象になることを知らない場合や、知っていたとしても、社内で認識されていない場合が多いので注意が必要です。

 

特に、債務保証では、米国子会社が地場銀行から借り入れを行う場合やリースを受ける場合に、親会社が保証を差し入れることがありますが、当該保証行為についても経済的・商業的価値のある行為であるため、同税制に基づき対価を設定する必要があります。よく親子ローンをやめられて、地場銀行から借り換えらることがありますが、その場合でも親会社からの保証が地場銀行に差し入れられていれば、移転価格問題は残ります。

 

このように、有形資産取引だけでなく、経済的または商業的価値のある取引は全て移転価格税制の対象になりますので、一般的な親子間の取引であれば、ほぼすべての活動が移転価格税制の対象になるとお考えください。これらの移転価格税制の対象取引は、同税制に規定されている独立企業間価格の算定方法に基づき価格を設定し、取引先の関連者に対価を請求する必要があります。

 

なお、例外として一部の株主としての活動については、親会社の子会社に対する投資を保全する活動として親会社目的ですので、このような活動は移転価格税制の対象にはなりません。

 

次回は、移転価格税制の対象となる法人についてご説明します。

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