個人税務申告に係る米国税制改正

2017年12月22日、トランプ大統領が最終の税制改正法案(以下「改正法」)に署名し、法案が成立しました。今回の改正は、幅広い分野での改正項目が含まれており、1986年のレーガン政権下での税制改正以来の大幅な改正となっております。個人税関連の改正は時限立法となっており、多くの優遇税制は一定期間後に失効する予定となっています。

 

以下が、個人税務に関する主な改正項目となります。

 

1.個人所得税率の引き下げ

連邦個人所得税の税率は、10%、12%、22%、24%、32%、35%、37%の7区分となり、最高税率が39.6%から37%に引き下げられました。

 

税率

夫婦合算申告と
生存配偶者(寡婦、寡夫)

独身申告

特定世帯主申告

夫婦個別申告

Tax Rate

Married Filing Jointly and
Surviving Spouses

Single

Head of Household

Married Filing Separately

10%

$0 – $19,050

$0 – $9,525

$0 – $13,600

$0 – $9,525

12%

$19,050 – $77,400

$9,525 – $38,700

$13,600 – $51,800

$9,525 – $38,700

22%

$77,400 – $165,000

$38,700 – $82,500

$51,800 – $82,500

$38,700 – $82,500

24%

$165,000 – $315,000

$82,500 – $157,500

$82,500 – $157,500

$82,500 – $157,500

32%

$315,000 – $400,000

$157,500 – $200,000

$157,500 – $200,000

$157,500 – $200,000

35%

$400,000 – $600,000

$200,000 – $500,000

$200,000 – $500,000

$200,000 – $300,000

37%

Over $600,000

Over $500,000

Over $500,000

Over $300,000

 

2.標準控除金額の増額

標準控除額が単身申告者$12,000、夫婦合算申告者$24,000 と概ね倍増したため、項目別控除ではなく標準額控除を選択する人の増加が予想されます。

申告身分

2017

2018

独身および夫婦個別申告

$6,350

$12,000

特定世帯主申告

$9,350

$18,000

夫婦合算申告

$12,700

$24,000

 

3.人的控除の廃止

一人当たり$4,050の人的控除(扶養控除、基礎控除)が認められていましたが、今回の改正法により当該控除は廃止されました。

 

4.地方税(州・市・郡税を含む)の控除上限額の設定

項目別控除の計算上、地方所得税や固定資産税の控除に上限は設定されていませんでしたが、改正法により支払われた地方所得税・固定資産税・売上税の合計額に対して$10,000(夫婦個別申告の場合は$5,000)の控除限度額が設定されました。また、国外で発生した固定資産税は控除不可となります。事業所得や賃貸所得等に係る固定資産税は、当該所得の計算上引き続き控除可能となります。

 

5.住宅取得借入金利息控除に関する借入金限度額の引き下げ

今までは、$1,000,000までの住宅取得借入金を対象として借入金利息が控除可能でしたが、改正法により借入金限度額が$750,000(夫婦合算申告の場合)まで引き下げられました。2017年12月15日までに発生した借入金に関しては$1,000,000が限度額とされます。

 

6.ホームエクイティローン利息控除の廃止

住宅を担保とするホームエクイティローンに関する利息控除に関しては、今回の改正法により当該控除が廃止されました。

 

7.子女控除の増額

子女控除の金額が$1,000から$2,000に増額され、還付請求可能な金額も$1,100から$1,400に引き上げられました。ただし、今回の改正により子女控除の申請には社会保障番号(SSN)が必要となったため、個人納税者番号(ITIN)をお持ちの子女は対象外となります。ITINをお持ちの子女は、その他の扶養者に認められる1人につき$500の税額控除(還付請求不可)が認められます。また、控除額が逓減される課税所得が$110,000から$400,000(夫婦合算申告の場合)に引き上げられたため、控除対象者の増加が予想されます。

 

8.引越し費用控除の廃止

今までは、一定の引越し費用は総所得から控除可能でしたが、今回の改正法では当該控除が廃止されました。

 

9.オバマケア・ペナルティの撤廃

今までは、健康保険の未加入者に対しては未加入月数に応じて一定のペナルティが課されていましたが、今回の改正法により2019年以降は健康保険に未加入の場合でもペナルティが課されることはなくなりました。

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