2018 Q3 Q4 会計基準主要アップデート

2018年後半も数多くの会計基準がアップデートされました。本稿ではその中でも特に日系会社にとって関係のありそうなものについて取り上げていきます。

 

  • ASU (2018-15) Intangibles – Goodwill and Other-Internal-Use Software (クラウド・コンピューティング契約の導入コストに関する顧客側の会計処理)

2018年8月29日に米国財務会計基準審議会(Financial Accounting Standards Board、以下FASB)はクラウド・コンピューティング契約に関する会計基準(ASU 2018-15) を公表しました。これにより、今まで明記されていなかった『ソフトウェアのライセンス権が譲渡されないホスティング契約』における導入費用の取り扱いが明確になりました。この新基準はSEC登録企業以外の営利事業体には2020年12月15日以降に開始する事業年度及び2021年12月15日以降に開始する四半期もしくはその他の期中期間から適用になりますが、早期適用も認められています。この新基準による導入費用の認識時期の変更は企業の財務比率や税効果会計に影響を及ぼす可能性があります。

従来の基準では、ライセンス権を付与されるソフトウェア契約とクラウド・コンピューティング契約は区別され、クラウド導入費用は発生時に費用として認識されていました。しかし今回のASUにより『ソフトウェアのライセンス権が譲渡されないホスティング契約』における導入費用(例えば顧客の仕様カスタマイズやインストール等の費用)は会計基準トピック350-40に明記されている『自社利用のソフトウェア』の取り扱いと同様に資産化され、契約期間にわたって費用認識されることになりました。対象となる導入費用は社内及び社外(クラウド業者やその他の第三者)で発生する費用を含みます。償却期間となる契約期間には当初の解約不能な期間に加え、延長オプションの行使が合理的と思われる延長期間も含みます。また、『ソフトウェアのライセンス権が譲渡されないホスティング契約』ではライセンス権が譲渡されないため、サービス契約として取り扱われる点が『自社利用のソフトウェア』とは異なります。

(参考)自社利用のソフトウェア:企業内部での使用のみを目的(外部への販売を目的としない)として取得、自社開発、またはカスタマイズされたソフトウェアで、その取得、使用に関する会計基準はトピック350-40で規定されています。自社利用のソフトウェアとしての会計処理でも導入費用と見なされないデータのコンバージョンや研修等の費用は発生の都度費用認識されます。

 

  • ASU (2018-18) Collaborative Arrangements (提携契約に関する会計処理の限定的な処理)

2018年11月5日にFASBは提携契約において、トピック606が適用となり収益として認識する取引を明確にする会計基準(ASU 2018-18)を公表しました。このASUはSEC登録企業以外の営利事業体には2020年12月15日以降に開始する事業年度及び2021年12月15日以降に開始する四半期もしくはその他の期中期間から適用になります。尚、この新基準は早期適用できますが、トピック606の適用が前提になります。現行の会計基準(トピック808)では提携契約の定義、財務諸表における表示、開示に関する記載はあるものの、認識や測定の明文規定がなく適用に統一性がありませんでした。この点を解消すべく今回のASUにより下記が明確に規定されました。

  • トピック808に記載されている提携契約のうち、トピック606(新収益認識基準)が適用される取引(提携契約を結んだ関連当事者が顧客とみなされる場合)
  • 提携契約がトピック606に当てはまるかどうかは、取引される明確な商品やサービス単位において判断される
  • 新収益認識基準が適用されない提携契約の取引は、一般の顧客契約から得られる収益と一括で表示してはならない。

提携契約でトピック606が適用される取引、収益として認識されていない取引には影響がないと考えられますが、トピック606の範囲外でありながら収益の概念に含まれる取引については従来の表示を再検討し、収益の一部として別表示する必要があります。また、収益とみなされない取引は雑収入や試験研究費のマイナス等で表示することになります。

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