Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security (CARES) Act

2020年3月27日にトランプ大統領によって新型コロナウイルス経済対策法、The Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security (CARES) Act が署名されました。
これにより様々な税法改正が法人税務、個人税務、国際税務等の分野で実施されます。
下記ではその法案からいくつかの項目を抜粋しており概要のみを述べるに留めていますので、詳細が必要な場合は当事務所までお問合せください。

現金給付

<内容>対象者大人1名につき1,200ドルまで(夫婦合算の場合2,400ドルまで)子ども(Qualifying Child)1名につき500ドルが支給されます。

<対象者>居住者、かつ納税者。子供(Qualifying Child)は納税者の扶養子女、17歳未満で米国市民、あるいは居住者。社会保障番号(SSN)を持っていることが条件となります。

<所得規定>

合算申告の場合、調整後所得(Adjusted Gross Income)150,000ドル超過分より5%ずつ減額、198,000ドルで支給額ゼロとなります。合算申告で子供2名の場合は、218,000ドルで支給額ゼロとなります。
夫婦個別申告あるいは独身者申告の場合、調整後所得75,000ドル超過分より5%ずつ減額、99,000ドルで支給額ゼロとなります。

<支給決定方法>
2019年、あるいは2018年の個人税務申告額をもとに支給額が決定され、前払支給されます。

寄付関連控除

<個人>
1.現行では調整総所得前控除(Above The Line Deduction)で寄付金控除は認められておりませんが2020年開始の課税年度のみ、定額控除(Standard Deduction)を選んだ納税者は 上限$300まで控除が認められます。

2.現行では項目別控除(Itemize Deduction)を選択した納税者は、公共慈善団体等への寄付金の上限は調整後総所得の60%となっております。同法では一時的に控除額の制限を撤廃し、2020年に生じた現金の寄付金は100%まで控除することができます。控除しきれなかった上限額以上の寄付は60%まで翌年以降5年間の繰越控除が認められます。

<法人>
企業の寄付金控除は課税所得の上限10%から、超過分25%まで引き上げられます。
また、2020年の慈善団体への食料品寄付の控除は課税所得の上限15%から25%まで拡大されます。

給与、福利厚生関連優遇措置

同法では従業員や個人事業主への失業保険の拡充が決定しました。また雇用主や個人納税者へ以下の税優遇措置も施行されます。

給与税クレジットの還付

<対象雇用主>新型コロナウイルス感染症の影響で政府要請により商業活動の制限や、外交中止により一部でもビジネス活動に影響を受けている全企業、非営利団体。また四半期の売上が前年同期比で50%以上減少した雇用主に適用されます。Small Business Interruption Loanを借入している雇用主には適用されません。

<内容>特定の従業員に支払われた以下対象賃金の50%が給与税クレジットとして還付されます。クレジット可能な一人あたり賃金の上限額は健康保険プランなど一部の福利厚生費を含む10,000ドルまでです。(最大クレジット 5,000ドル)
<対象賃金>
2019年に従業員数が100人以下の企業:四半期の間、全ての従業員に支払われた賃金
2019年に従業員数が100人以上の企業:企業や会社の閉鎖により影響を受けた自宅待機や一時解雇の従業員への賃金、時短勤務で支払われている賃金、減給されている賃金などに限定されます。
従業員の人数はグループベース(内国歳入法第52条と第414条)で判断します。
<適用期間>2020年3月13日から2020年12月31日に支払われた賃金に適用されます。

給与税支払期限の延長 

<内容>企業雇用主は給与税の納税を延期することができます。また個人事業主は個人事業税(Self Employment Tax)の半分まで納税を延期することができます。
納税を延期した給与税あるいは個人事業税の50%は2021年末、また残りの50%は2022年末までに納税する必要があります。Small Business Interruption Loanを債務免除した雇用主には適用されません。
<適用期間>同法が成立した日より2020年12月31日までに発生する給与税に適用されます。

個人年金プラン関連

  • 年金プラン早期引き出しによる追加税の撤廃

<内容>現行では企業年金(401(k)プラン等)や個人年金(IRA)から、一部の理由を除き早期に拠出した場合10%の追加税がかかります。同法では以下対象者に限り、100,000ドルまで追加税が免除されます。
<適用期間>2020年1月1日から12月31日までに拠出した場合に適用されます。
<対象者>:新型コロナウイルス感染症の影響により経済的困難だと判断された対象者。

  • 年金プラン満期引き出し義務の免除

<内容>現行では企業年金(401(k)プラン等)や個人年金(IRA)から、満期(72歳)により規定された最低金額を拠出することが義務付けられておりますが、同法では2020年に限り、その強制義務が免除となります。

ビジネス関連優遇措置

支払利子の損金算入額

<内容>支払利子の損金算入限度額が現行調整後課税所得(30%から、2019年、2020年に開始する課税年度において50%まで引き上げられます。パートナーシップは別ルールが適用となります。

欠損金(NOL)

<内容>現行では欠損金控除は当期課税所得の80%までに制限され、繰戻しは廃止されております。同法では控除制限の適用開始が2021年まで延期となりました。又、2018年1月1日以降に始まる課税年度から2020年12月31日以前に始まる課税年度に発生した欠損金は5年間繰り戻しが可能になります。

代替ミニマム税(AMT)クレジット

<内容>現行では2018年1月1日以降に開始する課税年度より代替ミニマム税は廃止され、既存のAMTクレジットの繰越額は通常税額と相殺し、未使用残高は2018年から2021年に掛けて段階的に還付されることになっております。
同法では2019年1月1日以降に開始する課税年度に100%の還付が可能になります。又、2018年1月1日以降に開始する課税年度に還付するよう選択することもできます。

適格内装資産の即時償却

<内容>2017年の税制改正にて適格内装資産(Qualified Improvement Property)の償却期間が15年から39年となってしまい、ボーナス減価償却の対象外となってしまっていましたが、同法にて適格内装資産の償却期間が15年に修正され、ボーナス減価償却の対象になりました。。2018年1月1日以降に使用開始された資産が対象となります。

州(地方)税

同法は法人、個人ともに連邦税の規定となっております。州が準拠しているかは各州や地方によって規定が異なります。

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