新リース会計(トピック842)の改訂

本稿では最近続けて公表されている新リース会計の改訂について取り上げます。

Accounting Standards Update (以下ASU) (2018-20) Leases (Topic 842)貸手に関するリースの限定的な改訂

2018年12月10日、米国財務会計基準審議会 (Financial Accounting Standards Board)は、新リース会計基準(以下、「トピック842」という)の貸手に関するリースについての限定的な改訂を公表しました。今回のASUでは下記の3点において改訂されました。

  • 借手から回収した売上税等が貸手の取引かどうかの分析を省略する会計方針の選択ができるようになりました。
  • 借手が政府などに直接支払った貸手のコストをリース収入とコストに含めないよう明記されました。また、反対に貸手が支払った貸手のコストで、後に借手から回収した貸手コストはリース収入に含むよう明記されました。
  • リース要素とリース以外の要素(CAMコスト等)を含む変動的な支払いに変更があった場合の会計処理においてリース以外の要素部分についてはトピック842以外の会計基準(新収益認識基準など)に基づいて処理をするよう明記されました。

ASU (2019-01) Leases (Topic 842)リース会計基準の改訂

2019年3月5日、FASBはトピック842をさらに明確化する会計基準を公表しました。今回のASUでは下記の3点が制定されました。

  • 現行のリース会計基準(トピック840)では製造業及びディーラーではないリースの貸手(金融機関等)に対し、リース資産の公正価値を設定する際に値引きなどを反映した後の取得価額を使用する例外を認めていましたが、トピック842ではその例外は認められていませんでした。今回のASUはこの例外が新基準にも適応されることを明記しています。ただし、リース資産の取得とリース開始のタイミングに長期のずれがある場合は、貸手は「公正価値測定及び開示」(トピック820)にある測定方法を適応することが求められています。
  • トピック842では明記されていなかった、貸手側のキャッシュフロー計算書におけるリース事業からの入金の表記について明記しました。「金融サービスー預金及び貸付」(トピック942)では「金融機関はリース収入における元本の入金は投資活動に分類する」旨が定義されていますが、トピック842は「全ての貸手側は、リース収入における元本の入金は営業活動に分類する」との定義がなされており、この2つの基準の矛盾を解消するべく、今回のASUではトピック942に該当する貸手はトピック942の基準に従うことが規定されました。
  • トピック842を初年度適用する会計年度における、期中期間の開示の例外措置が明記されました。トピック842では、「会計方針の変更や訂正」(トピック250)に従って適用初年度の開示が制定されていますが、下記の開示に関しては例外が認められています。
    1. 継続事業からの利益
    2. 純利益(または純資産、業績指標の変化に伴うその他の適切な表記)
    3. その他影響のあった財務諸表勘定科目
    4. 株価への影響額

トピック842では、初年度末の例外はあるものの、適用日以降の期中期間に関する例外は明記されていませんでした。今回のASUでトピック842の提供初年度における期中開示においても例外も認めることを明記しています。

上記二つのASUはSEC登録企業以外の営利事業体には2019年12月15日以降に開始する事業年度及び2020年12月15日以降に開始する四半期もしくはその他の期中期間から適用になります。尚、このASUは早期適用できますが、トピック842の適用が前提になります。

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